遠州織物 — 静岡・遠州地方で織られる、日本の上質な布


静岡県西部、浜松を中心とした遠州地方は、昔から織物の産地として知られてきました。江戸時代から続くこの土地の織物づくりは、今もなお職人たちによって丁寧に受け継がれています。

そんな遠州地方で生まれる「遠州織物」は、ただの布ではありません。土地の気候や風土、そして人の手が重なって生まれる、味わい深い国産ファブリックです。


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自然が整える、織物づくりにぴったりの環境


遠州地方は、「からっ風」と呼ばれる乾いた風と、清らかな地下水に恵まれた地域。糸の洗いに適した水と、乾燥にちょうどよい風が、生地を美しく仕上げる手助けをしてくれます。こうした自然環境は、昔も今も、良質な日本製の綿麻生地をつくるために欠かせない条件といえるでしょう。

手に触れたときにふんわりとやさしく、肌に馴染む。そんな風合いの背景には、自然の力と人の技がしっかりと働いています。


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シャトル織機が織り上げる、やわらかな風合い


遠州織物の特徴のひとつが、「シャトル織機」と呼ばれる昔ながらの織機を使っていること。木製のシャトルが左右に行き来しながら、少しずつ糸を織り重ねていくこの織り方は、今では生産効率の高い機械に置き換わることが多い中、遠州の小さな工房ではいまも現役です。

スピードはゆっくりですが、その分、糸に無理がかからず、ふんわりとした立体感や自然な表情が出てくるのが魅力。職人が一反ずつ、張りや密度、しなやかさのバランスを見ながら微調整していくことで、他にはない優しい風合いが生まれます。


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綿と麻、天然素材ならではの気持ちよさ


使われているのは、主に綿や麻といった天然繊維。肌にやさしく、吸湿性や通気性に優れているので、季節を問わず快適に過ごせるのがうれしいポイントです。

また、こうした綿麻の国産生地は、着るほどに、洗うほどに、少しずつ風合いが育っていくのも楽しみのひとつ。日々の暮らしの中で自然と体になじみ、長く付き合っていける頼もしさがあります。


静かに、ていねいに、暮らしに寄り添う一枚


遠州織物は、大量生産では味わえない、素朴であたたかみのある日本製の生地。見た目の華やかさではなく、毎日着たくなるような着心地や、自然に気持ちがほぐれるやわらかさが魅力。

毎日の暮らしに、そっと寄り添ってくれるような一枚です。